放射線科

放射線科

久喜メディカルクリニック診療理念

  • 友愛
  • 奉仕
  • 安全
  • 高品質

放射線技師としての理念(社団法人 日本放射線技師会綱領より)

  • わたくしたちは、医療を求める人びとに奉仕します。
  • わたくしたちは、チーム医療の一員として行動します。
  • わたくしたちは、専門分野の責任をまっとうします。
  • わたくしたちは、人びとの利益のために、常に学習します。
  • わたくしたちは、インフォームド・コンセントを尊重し、実践します。

スタッフ紹介

放射線技師長:村井靖  
放射線技師:亘理健太  
非常勤放射線技師:7名

放射線技師長:村井 靖 (写真左)

久喜メディカルクリニック放射線技師長の村井靖と申します。放射線技師の仕事を始めて25年になります。  
昭和40年生まれの自分の人生を振り返ると、世の中の技術は大変な進歩を遂げました。いわゆる“デジタル化”によるところが大きく、OA(事務用コンピュータなど)、家電(Audio &Visual(TVやVideoなど)、研究(技術開発など)、通信(インターネット、GPS、携帯電話など)、運輸(自動車や航空機など)、医療(医療機器や医薬品開発など)に多大な進歩をもたらしました。科学技術が好きな自分にとって、このような変革を自分で体験できたことは、大変幸せに思います。それに比べて、エネルギーや動力に関してはあまり進歩が見られず、古い技術がいまだに主流であるのは残念ですが、照明についてはLEDが普及し始め、ようやくエジソンの技術が終わりを告げようとしています。自分が生きているうちに、エネルギーや動力の革新的な技術を見たいものです。次の機会には、個々の技術革新について体験を交えて発表できたらと考えています。
胸部レントゲンや骨・関節のレントゲンのような“一般X線撮影”に関する革新を説明します。フィルムからデジタルデータに変わったことによる利便性は、デジタルカメラの場合と似ています。フィルムをなくしてデジタル画像化するだけで、かなりの手間と物が省略できます。①検索②運搬③記録④掲示⑤保管⑥管理⑦廃棄。以上の作業がコンピュータ上で可能となります。X線室から暗室と現像機と酢酸の匂いが無くなり、膨大なフィルムの保管庫が無くなりました。技術的には、撮影条件、カメラで言う所の露出(光)条件がマニュアル撮影からフルオートになり、またCTの普及により必要な撮影方法も減り、職人技(わざ)的な部分が大分減りました。

放射線技師:亘理 健太(写真右)

こんにちは、診療放射線技師の亘理健太です。私がこの職業に就いてから2年が経ちました。初めのうちはレントゲンやCTスキャンなど、技師としての仕事をこなすのに精一杯でした。でも今は、その仕事にも慣れ、精神的にも余裕をもって働くことができるようになりました。
昨年からは、院内の委員会の仕事も任されるようになりました。私が担当するのは医療安全委員会という委員会です。ここでは、「医療事故にはならなかったが、ヒヤリとした事例」を挙げ、それについて対策を立てたりしています。また、危険予知トレーニングといって、ある業務風景を写真に撮り、その写真に潜む危険を見つけ出し、危険を見つける能力を養うという活動も行っています。
これからも、検査はもちろん、委員会でも皆さんの役に立てるように頑張ります。

業務内容

※久喜メディカルクリニックでは、以下の装置による画像診断が可能です。

一般X線撮影装置

胸部・腹部、様々な骨や関節のX線画像を撮影します。CR(コンピューテッド・ラジオグラフィ)と組み合わせデジタルX線画像を撮影します。患者様を動かさずに多方向より撮影が可能なので、救急医療にも威力を発揮します。


病室撮影用ポータブルX線撮影装置

移動が困難な患者様を、病室のベッド上でX線画像を撮影します。
コンパクトで小回りが利き、ベッドサイドで特に使いやすいです。



X線透視装置

消化管(食道・胃・十二指腸・大腸)などに、造影剤を入れて、 X線画像を撮影します。また、内視鏡を使った胃瘻(PTEG)造設、造影剤点滴 による腎臓・尿管・膀胱の造影画(DIP)、造影剤点滴による胆嚢・胆管造影画像(DIC)、その他内臓の造影検査を行います。また、リアルタイム透視画像で、脱臼骨折の整復治療を行います。



X線CT

16列マルチスライスヘリカルCTスキャナーにより、全身の断層画像を撮影します。16列の威力は、1回の息止め(約20秒)で主要な部位全体を最小0.5mmの薄さで撮影することにあります。通常のCTスキャンは、薄く撮影した画像を使って、厚さ約5mmの輪切りにして観察するように画像を作ります。通常は1mmの薄さで画像データを収集し、見たい方向の断面画像にする事が可能です。例えば消化管は輪切りよりも前額断で観察した方がより診断し易くなります。更に造影剤を使えば、より鮮明になり、血管や臓器の立体画像を作る事も可能となります。


MRI

1.5T(テスラ)超電導磁石と電磁波を使って、全身の断層画像を撮影します。一見、X線CTと画像が似ていますが、原理がまったく異なります。画像もCTとは異なる情報が得られ、精密検査に向いています。ただし適用になる患者様は、CTと比べて制限があります。脳、脊髄、関節はもちろん、非造影血管撮影や、非造影胆道撮影など腹部検査も可能です。


外科用イメージ

主に整形外科手術において、骨の固定器具を 埋め込むための、医師の“目”となります。



症例

「体を守るはずのシートベルトで内臓損傷」

主訴および臨床経過
54才男性。交通事故。軽自動車で正面衝突。エアバッグが開いた。右鎖骨の痛み、左前胸部を痛がる。
レントゲンにて右鎖骨中央の骨折。シートベルト損傷。観察入院。  Bp80-90代。意識レベルクリア。皮下出血など目立った外傷なし。腹壁ソフト・圧痛なし。血尿みられず。
顔色不良・眼瞼アネミーあり。(※貧血傾向)
ヘモグロビンHb14.1から11.4に低下あり。(※貧血傾向)
Bp90-100代経過。意識レベルクリア。
腹満感訴えるが腹壁ソフト。
(※シートベルト外傷による、隠蔽(潜在)出血疑い。)

画像所見
CTスキャンにて、腹腔内出血、回腸部炎症+出血。肺、脳異常なし。

診断および経過  
小腸損傷、小腸切除術施行。
 

以上のケースは、外見的には目立った外傷がなく、X線写真で鎖骨骨折の診断でした。ただし、骨折はシートベルトによる損傷のため、衝撃度は高いと判断され、経過観察入院となりました。その後、徐々に腹腔内に出血、血圧低下を来し、CT検査の結果小腸損傷で手術適用となった症例です。これは別名隠蔽(潜在)出血と呼ばれ、油断ならないケースです。受傷時のバイタルは安定状態で、救急隊により重症と判断されにくく、一次救急にまず入院となり、容態が悪くなって転院しようとしても不可能な状態になってしまう場合が時々報道されています。以下に自動車乗車中の衝突事故のよる代表的な外傷を挙げます。

ドライバー外傷

シートベルト未着用正面衝突
※シートベルト着用の最大目的は車外放出防止

  • ダッシュボードによる外傷
    膝部および下腿部の外傷。
  • ハンドル外傷
    肋骨骨折、心筋損傷、血気胸等の胸部外傷。
    肝破裂、膵損傷、十二指腸損傷等の腹部外傷。
  • フロントガラスにて頭部および顔面外傷


シートベルト着用側面衝突
  • 頚椎捻挫、頚椎骨折。
  • frail chest、多発肋骨骨折等の胸部外傷。
  • 股関節脱臼(右が多い)、左側顎、肩外傷。

シートベルト外傷 【図1参照】

  • 右の、鎖骨骨折、鎖骨下動脈・頚動脈損傷。 ※鎖骨骨折=衝撃度大
  • 腸管損傷(回腸、S状結腸、その他結腸)
    腸間膜損傷、胸腰椎損傷、腹部大動脈損傷。
    ※隠蔽(潜在)出血。バイタル経時変化観察重要。
    症候(訴え)や徴候に注意。
    FAST(echoによる腹腔内出血検索)
    ※後部座席の2点式の腹部臓器損傷。
  • 左肋骨骨折、脾臓損傷。
  • 血気胸

エアバッグ外傷(シートベルト未着用)

  • 心臓破裂
  • 他上半身全ての傷害の可能性
  • 頚椎捻挫↓、頭部顔面損傷↓、胸部損傷↑

鈍的外傷による腸管膜血腫

  • 交通事故等による腹部打撲後、遅発性の腹部症状をきっかけに。



「継続する下痢で消化管精査。まずはCTから・・・?!」

主訴および臨床経過】

主訴:60才代女性。お腹の調子が悪く、下痢が続いている。
直腸診にて腫瘍なし、痔なし。

画像所見
単純CT(図1,2):肝臓S3、S8他、淡いLDAが散見される。他胆石、骨盤内S状結腸~直腸付近に腫瘤性陰影。大腸がんを疑い、大腸ファイバー施行(図3):直腸~S状結腸に腫瘤あり。生検にて高分化型~中分化型に相当する腺癌。

造影CT(図4):多発性肝転移。注腸(図5)+CT(図6~9)で全周性のアップルコア(大腸がん所見)。
単純MRI(図10.11):肝臓に多発性の肝転位。

 

診断および経過】

腹腔鏡切除(図12):病理にて高分化型腺癌主体の進行癌でした。

継続する下痢あるいは便秘により、CTスキャンを行い、肝転移像から検査を進め、消化管の進行癌が見つかるケースは少なくありません。また大腸の進行癌であれば、現在のマルチスライスヘリカルCTにて見つかるケースもあります。ただし、医師が疑いを持って検査を進めなければならず、単純に腹部X線写真のみを撮るだけでは腸閉塞になるまで見つからないでしょう。

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